シンガポールの医療機器の規制:どうやって対応するか

シンガポールの医療機器の規制:どうやって対応するか

Update: 2026.06.24

医療機器はそれぞれの仕様や販売実績を持ち、別の用途に使用されております。そのため、シンガポールのみならず、どの国にでも、医療機器における規制対応は決して簡単なことではありません。Health Science Authorities(シンガポール保健科学庁)へクラスBの医療機器の登録を行ってきた弊社はそれを痛感しており、各医療機器に応じた規制対応方法をこちらにご紹介します。

規制を把握する

シンガポールの医療機器における規制は、医療機器の分類から登録、登録後の販売までのプロセスを監視するシンガポール保健科学庁の医療機器部門に管理されております。クラスBの医療機器はクラスCまたはクラスDほどの厳格な検査を要しませんが、クラスAの医療機器よりリスクが伴っており、相応の検査を要します。ただ、クラスBにおける規制対応方法は定まっておらず、むしろ医療機器の仕様、過去の規制対応実績ならびにシンガポールにおける医療機器の使用および流通によって左右されます。

医療機器の実績や仕様を考える規制対応プロセス

弊社は、まず医療機器の仕様、臨床的用途、および他市場からの規制対応実績を仔細に確認します。このステップは全プロセスの礎となるので、きわめて大事なステップです。そのため、一般的な条件やチェックリストなどに頼らず、医療機器自体によって必要な規制対応を決定します。たとえ同じ範囲に入っていても、デバイスの機能、コミュニケーション、データ処理および対象使用者によって対応事項が異なる可能性があります。

これから、弊社がどのように対応するかをご紹介してまいります。

HAS医療機器登録

医療機器を登録するには、まず当該デバイスに該当する手続きを把握しなければなりません。どのクラスに分類されるか。どんな適合性評価が該当するか。他市場から得た許可を通じて、より簡単な手続きで規制対応することは可能か。これらの点を踏まえ、各デバイスに必要なステップを検討します。他地域からの認可、例えばUS FDA(アメリカ食品医薬品局)、CEマーク(ヨーロッパ)、TGA(豪州)などがあれば、より迅速かつ簡単なプロセスで登録できるかもしれません。

要するに、各デバイスの実績(他地域における認可・承認などを含めて)に応じた登録手続きをご提案します。

ワイヤレスデバイスにおけるIMDA規制の対応

医療機器にBluetooth、WiFiなどの無線通信機能が搭載されている場合、IMDA(シンガポール情報通信メディア開発庁)の認証が必要になってきます。その場合には、弊社はIMDAの機器登録手続きおよび条件を調査・確認します。近年、医療機器への接続機能の搭載が一般化しており、IMDAとの対応がますます重要になってきております。

PDPA対応

医療機器は通常、臨床測定値、使用履歴、または個人を特定可能な健康情報などの患者データの収集・処理・送信を行っています。このため、「個人情報保護法(PDPA)」に関する調査は重要となってきます。弊社は、まず、当該デバイスの個人情報の取り扱い方、その取り扱いにより生じた企業義務、そして当該デバイスの導入の際に必要な対応を確認します。患者データの機密性を踏まえ、弊社はPDPA対応の調査を慎重に進めてまいります。

HCSA対応

企業のビジネスモデルや、当該デバイスの導入方法により、医療サービス法(HCSA)の適用範囲が異なります。医療機器は医療サービスに使用される場合、HCSAの認可が必要になります。導入方法によってこの調査が必須とならない場合もありますが、弊社は、見落としがないように調査の一環として行います。

医療界の関係者との連携

資料だけでは規制対応には不備がある恐れがあります。そのため医療機器を取り扱ったり患者に推奨したりしている医療界の関係者と連携して意見・知見を求めています。例えば、臨床で医療機器を使用している医師に、当該デバイスは現在の臨床ワークフローに導入できるか、どんな患者に適しているか、利用目的は実際の利用範囲に合っているかと相談します。通常の資料調査では得られない現場の声を得ることができます。例えば、規制対応にとって厳しそうなビジネスモデルの要素、PR用の表現や謳い文句などにまつわるコメントをもらえます。

そのためだけでなく、当該デバイスのオペレーティングモデルおよびコマーシャルモデルが合っているかどうかを確認できます。製品流通、販売後の責任、サポートインフラを取り上げることにより、資料だけでは把握できなさそうな情報を捉え、弊社の調査・対応方針が実態に即しているかを確認できます。

日本企業が内需だけに頼れば生き残れないのは、もはや現実になっています。
これほど素晴らしい日本の技術が埋もれてしまわないよう、世界へ羽ばたかせたいです。

弊社ビンテージマネジメントは、日本とシンガポールの架け橋として、
医療機器をはじめとする日本の誇る技術を、グローバル市場へお届けしてまいります。

海外展開をご検討の企業は、まずはこちらよりお気軽にご相談ください。



参考リンク

  1. Barre, E., & Rizwi, W.(2025年3月17日)。シンガポールにおける健康データの保護・管理の概要。Lexology。https://www.lexology.com/library/detail.aspx?g=67f66eb9-e488-4d54-b35b-5f556a2b6d31
  2. 機器登録 | IMDA。(日付不明)。https://www.imda.gov.sg/regulations-and-licensing-listing/equipment-registration
  3. 医療機器に関するガイダンス文書。(日付不明)。Health Sciences Authority。https://www.hsa.gov.sg/medical-devices/guidance-documents/
  4. 2020年医療サービス法 – シンガポール法令オンライン。(2023年12月18日)。https://sso.agc.gov.sg/Act/HSA2020
  5. 2012年個人情報保護法 – シンガポール法令オンライン。(2025年12月5日)。https://sso.agc.gov.sg/Act/PDPA2012?WholeDoc=1#

Photo by Thirdman : https://www.pexels.com/photo/doctor-consulting-a-patient-7659869/