Forever 21、三度目の日本撤退

Forever 21、三度目の日本撤退

Update: 2025.10.29

Forever 21が、日本市場から3度目の撤退。

あまりにも記憶に残らないブランドとなってしまい、Youtubeのコメント欄に、「日本に店舗があったことすら知らなかった」というコメントが見えます。しかも「あと18回」といったジョークも飛び交うほどです。インタビューされた女性は、デニムジャケットを購入した日が最終営業日だったと後から知ったというエピソードも。

なぜForever 21は成功できなかったのでしょうか。

日本顧客のスタンダードに合わない質

Youtubeのコメント欄にも「絶句するくらい質が悪かった」、「いくら安くても質がね……」といった批判も散見されます。

一方、日本の消費者は近年、GUや2nd Street(最近シンガポールにも進出)、メルカリなどのプラットフォームで、手頃な価格ながら品質の良い商品や古着を求める傾向が強まっています。

デザインと気候への不適合、そしてEC競争

Forever 21は服が派手で大きめで、日本人好みのシンプルで着回しやすいスタイルとはあまり合いません。さらに、日本の春秋は短く、冬も比較的短いという気候的特徴があります。商品補充のスピードが不十分なForever 21では、季節商品を適切なタイミングで販売することが困難のようでした。加えて、SHEINやGRLなどのオンラインファストファッションが、より安価で素早く商品を提供する中、店舗型のForever 21は大きく不利な立場に置かれました。

サプライチェインの脆弱性

Forever 21は米国中心のサプライチェーンに大きく依存していました。親会社の破綻時には在庫供給が突然ストップし、日本の店舗は商品補充ができず、営業の継続が不可能になりました。

それに対して、ZARAのようなブランドは地域ごとに柔軟なサプライチェーンを構築し、需要変化に素早く対応することで、日本のような変化の激しい市場でも成功を収めています。


発祥地での成功は必ずしも海外で通用するわけではありません。
現地の嗜好、季節サイクル、サプライチェーン体制への適応が不可欠です。
特に日本のような成熟市場で成功するには、消費者の期待値、素材へのこだわり、在庫管理への対応力が求められます。

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