ローカライズとは

ローカライズとは

Update: 2024.03.06

『海外での販路開拓が上手くいかない』
素晴らしい技術や商品を有しているのに、海外での販売が伸びない企業様が多くいらっしゃいます。

その原因のひとつが、日本の製品をそのまま現地で販売されているからです。
ローカライズ(Localization)は、製品やサービスを販路開拓予定の地域や文化に合わせて調整・改良する工程を指します。日本の資源を用い、当地で欲せられるニーズに即した提供することができれば、対象国での販路開拓の成功率はぐっと上がります。

すべてのポイントを現地の要求に合わせると日本らしさが失われてしまうため、その要求をどこまで取り込むのかの塩梅は難しいところですが、弊社のような機関を利用して、現地の市場調査は必ずされることをお勧めします。

ここで少し、どのくらいのローカライズが良いのか、専門用語や実例を使ってご説明致します。

製品やサービスの開発や改善を行う際に、市場や顧客のニーズ(要求)を重視して取り組む『マーケットイン』と、企業や開発者が自社のアイディアや技術に基づいて製品を開発する『プロダクトアウト』という2つの方法があります。

韓国や中国は『マーケットイン』、日本は『プロダクトアウト』を主流に海外展開を行います。その結果、『メイド・イン・ジャパン』で世界に誇った電化製品の市場がどう移り変わったのかは、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

韓国日本
海外展開のアプローチ法マーケットインプロダクトアウト
特徴市場や顧客のニーズ(要求)を重視して取り組む企業や開発者が自社のアイディアや技術に基づいて製品を開発
利点と弱点現代のビジネスにおいて、顧客志向の重要性は高まり、特に国民性や文化の違う海外への展開においては必須であり、成功するための
重要な要素となっている。
企業や開発者の独自性や技術革新力を重視する一方で、市場の需要
や顧客の要求を見落とす可能性がある。

高い技術力で『安くて高品質』と、戦後の昭和時代に世界中から人気を集めていた日本製品は、平成、令和に進むにつれ、魅力が衰退していきました。完璧主義で妥協することなく、技術力を高めて機能性を増やした「完璧な」製品は、海外では「余計な機能が多くて割高」「過剰品質」と揶揄されるようになったのです。

一方、技術力を得た韓国は、自国の市場の規模を把握しており、将来の不安を早くに認識し、海外市場への進出や販路の拡大を積極的に行いました。各国の顧客ニーズを重視し、市場のトレンドに敏感に対応し、機能性のみに満足せず、デザインとスタイルも市場にいるユーザーの感性や嗜好に合わせ魅力的に開発した製品を提供し、市場での差別化を測りました。

最後に弊社が取り扱った事例をお伝えします。

大豆を使用した日本製代替肉をシンガポールで販売するにあたり、当初は日本で販売されている商品を100%そのままの状態で販売してみたところ、当初の計画ほど販売できませんでした。

そこで、市場調査と顧客分析を徹底して行い、試作品を作成し市場に出し、顧客のフィードバックを得て、原材料から味、包装やマーケティングメッセージなど60%以上変えたところ、売上げが150%以上も増加したのです。

また、労働力が安いベトナムやマレーシアで生産し単価を下げたことも、幅広い客層に受け入れられる要因になりました。